祖父が化けて出た。
「こら爺!化けて出やがったな!何が不満があるんだ!?枕もとに立たずに言ってみろ!」と怒鳴ったところで夢だと気が付いた。久しぶりに祖父の夢を見た。
夢の中の祖父は何も語らず、何もせず、ただただジット私を見てるだけだった。
不思議な事に、祖父を鮮明に覚えている自分に驚いた。
正直な話、祖父の記憶はホンの少ししかない。
いくつかある記憶を漁れば、祖父の膝の上は私だけの特等席だった事。
私がいくら粗相をしても決して祖父は私を怒らなかった事。
病院で絶対安静だった祖父が売店まで私の手をひき、オレンジジュースを買ってくれ
私の母に見つかり怒られてしぶしぶベットに戻り、私が母に怒られると祖父がかばってくれた事。
祖父の葬式にお寺の近くまで行き、引き返したこと。
(当時、私は百日咳で大変だったらしい。それでも私が愚図った為、渋々母がお寺の近くまで連れて行ったそうだ。)
それぐらいしかない。
祖父は大変厳しい人だったと聞いている。
小学6年生の時に両親を失い、一人で大阪に出てきて1代で財を築いたらしい。
祖父が現役の頃は親父達子供は祖父が怖かったと言っていた。
そんな話に聞く祖父と、私に対する祖父の態度の違いが、私からすれば祖父はやはり優しい祖父の記憶しかない。
そんな祖父が夢に出てきたのだから、何かあったのか?
なんか怒らせるような事やらかしたか?と夢の中で考え込んだ
祖父が怒りそうなことは沢山やらかしてる私だからこのまま爺に呪い殺されるんじゃなかろうか?
なんて気を揉んだがなんて事はない。
夢の中で祖父が
「可愛い初曾孫やなぁ。心配せんでもこっちで元気やぞ。お前はお前らしく前に進めや。」と言いやがる。
思わず夢の中の祖父に
「アホか、お前にくれてやった覚えは無い。けどな、俺がそっち行くまで按配面倒見たってよ。もうちょっとこっちに居なきゃあかんみたいやしなぁ・・・。頼むよ。」
そう怒鳴ると、祖父は満足でもしたのか目が覚めた。
目が覚めて鏡を覗き込んだら、そこには父親に似、祖父にも似てきてる自分が居た。
それにしてもなんとも目覚めの悪い夢だ。
